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では、われわれはこれからどうすればいいのか?

歴史的に襲ったこれまでの疫病・ウイルスの発生の源は、人間の生活が野生、自然への侵食をきっかけに起こっきた。
この数十年でもコロナウィルスと呼ばれる種類の感染症は、すべて熱帯雨林の都市開発、森林伐採などが起因して発生している。
歴史上最初のコロナウィルスも、羊など動物を家畜として人間の生活に取り込んだ時に出現した感染症であったという。

地球の自然環境の循環の中で発生する新型の感染症ウィルスが何かという観点で見れば、それは明らかに「警告」以外の何物でもない。地球を一人の人間の体として考えた時の、ストレスや無理な身体への負担における、痛みや発熱などのシグナルとも言える。
決して、遠い宇宙から訪れた謎の生命体に襲われているわけではない。(もし仮に地球という一人の人間が、外敵に襲われているのだとすれば、今現在の人類の対応は誠にに正しいということになるが)たぶん、おそらく、宇宙人の仕業ではないので、やっぱり地球という自分の身体への自業自得という範囲の中での警告的シグナルと考えて、おかしくはないだろう。

新型コロナウィルスの豪華客船クルーズでの集団感染というニュースが最初にあった。
地球は一つの大きな船だという考え方もある。
この大きな船は、人間の営為だけで成り立ってきた人類というお客様の船であったのか?

・・・ということをよく考えて欲しい。

豪華客船には、高額を支払ったお客さんから、中くらいのチケットで乗り込んだ乗客、運転手・スタッフ。それからその人たちを支える食事を作る人、部屋を整え掃除をする人などサーヴィスを提供するための多数の従業員が乗り込んでいるのだ。多くはその中で、乗客と人間の生活と営為が重視され、物や食料が消費される。
これが実は、とくにここ数百年の地球の中でも同じことが行われていたのである。

20世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチとも言われた建築家R・バックミンスター ・フラーは、地球環境と人間の生活を自然構造の原理から最も最適な原則を追求した思想家でもあった。
1983年に他界したバックミンスター ・フラーは、すでに半世紀以上前にこの地球という大きな船における人間の傍若無人な「豪華客船クルーズ」状態に、強烈な警告を発していた。
彼が提唱した、地球が一つの大きな宇宙船であるという「宇宙船地球号」はすでに1970年代に流布されたが、エコロジー・ブームとして広告に利用されるくらいにしか、当時のわれわれは受け止められなかった。

人間の営為目的のための消費生活・大型経済至上主義。人間の生活圏拡大、資源の拡張開拓。それによる熱帯雨林の都市開発。森林伐採、成層圏の温暖化。無菌生活。
宇宙船地球号は人間という高額チケットの乗客と多数の従業員のための、豪華客船クルーズだったのだろうか?

バックミンスター ・フラーは今からおよそ40年前の1981年に発表した
「クリティカル・パス」の冒頭で、その地球と人類に対して厳しい批判から文章を起こしている。

”人類は危機のただ中へと進み続けている。先例のない危機へ”

先例のない危機のただ中に、われわれは突入していたのである。危機的な臨海点、厳しく批評する道筋、クリティカル・パス。私たちが見えてた道がすべて正しかったというわけではなかった、ということかもしれない。

清藤 誠(作家・TVディレクター/陰陽師)2020.04.05

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